筑波大学 Geography Networkを利用した分析例3

 標高データによる地形分析と3次元表示

 筑波大学 Geography Networkデータを利用した解析例として,筑波山周辺の標高データ(数値地図50mメッシュ標高)による,等高線,傾斜角の分析,TINモデルの生成,またArcMapの3Dアナリストによる3次元表示等を解説します.


分 析 手 順

 筑波大学Geography Networkの使用方法「2.ArcMapから筑波大学Geography Networkにアクセスする」の項で説明したとおり,まずArcMapを起動して,プルダウンメニューの「ファイル」→「インターネットからデータを追加」→「ウェブサイトを追加」により,筑波大学Geography Networkに接続します.


 下図のような検索ページが表示されますので,コンテンツタイプの選択で「オンラインマップサービス」を選択し,オプショナルキーワードを「標高」として「検索開始」ボタンをクリックして下さい.


 下図のように,標高に関係するオンラインマップデータの一覧が表示されます.
またArcMapからアクセスした場合,「ArcMapに追加」ボタンが表示されているはずです.ここで「50mメッシュ標高(国土地理院),筑波山付近」のデータを探していただき,「ArcMapに追加」ボタンをクリックして下さい.


 以下のようなポイントフィーチャが表示されるはずです.これは国土地理院刊行の数値地図50mメッシュ(標高)データを,数値地図データ変換ツール(ESRIジャパン)を用いてポイント形式のシェープファイルに変換したものです.範囲は筑波山を中心にした,2万5千分の1地形図4枚分に相当します.
 また数値地図50mメッシュ(標高)のように,地表面の起伏を各点の3次元座標(X,Y,Z)の数値モデルで表したものは,DEM(Digital Elevation Model)と呼ばれます.


 まず,このポイントフィーチャからなる離散的なデータを補間して,より密度の高いラスタデータを作成します.
 ArcMapの「Spatial Analyst」→「内挿してラスタに変換」→「Inverse Distance Weighted」を選択してInverse Distance Weightedダイアログボックスを表示させて下さい.入力値はデフォルトのまま用いることにします.出力ラスタには変換結果のラスタデータを格納する適当な場所とファイル名を入力して下さい(ここではdem_rasterとしました).
 OKボタンをクリックすると計算がはじまります.コンピュータの性能によっては数分かかる場合もあります.気長にお待ち下さい.


 下図のような標高ラスタデータが生成されました.


 ポイントフィーチャを非表示にして,全体を表示させて下さい.中心部よりやや下あたりに見えるのが筑波山の山頂です.


 次に,標高ラスタデータから等高線を発生させます.「Spatial Analyst」→「サーフェス解析」→「コンター」を選択して,コンターダイアログボックスを表示させて下さい.入力値はコンター間隔を10m,出力フィーチャ名をcontourとしました.


 等高線が表示されました.下図はわかりやすいように,一部分を拡大したものです.


 同様に標高ラスタデータを使い,「Spatial Analyst」→「サーフェス解析」→「傾斜角」から,対象地域の傾斜角(度)を算出したものが下図です.
 サーフェス解析にはその他「傾斜方向」,「陰影起伏図」などの機能もあります.試してみてください.


 さらに地形を表現するモデルとしてよく利用されるのが,TIN(Triangulated Irregular Network)です.TINは三角形網によって補間データを作成する方法で,地形を滑らかに表現できます.そこで先ほど生成した等高線(contour)を利用してTINを作成したいと思います.

 分析に先立ちArcMapのエクステンションである「3D Analyst」を使用できる状態にしなければなりません.まず「ツール」→「エクステンション」で,3DAnalystにチェックを入れます.同様に「ツール」→「カスタマイズ」で3DAnalystにチェックを入れます.

 3D Analystが使用できる状態になれば,「3D Analyst」→「TINの作成と修正」→「フィーチャからTINを作成」を選択し,「フィーチャからTINを作成」ダイアログボックスを表示させます.ここでレイヤはcontourにチェックを入れ,Z値フィールドは標高が格納されているフィールドCONTOURを選択して下さい.また出力TIN名はtinとしました.OKをクリックすると計算が始まります.


 計算結果は標高が大まかに区分された陰影図となっています.起伏の全体像が理解しやすく,地形の概要を把握するのに適しています.


 次に地形の3次元表示に挑戦します.「3D Analyst」ツールバーの右から2番目のボタンをクリックし,「ArcScene」を起動して下さい.

 まず,「データの追加」で先に作成した標高ラスタデータ(dem_raster.shp)を追加します.すると鳥瞰図が表示されますが,まだ3次元ではありません.

 次にdem_rasterレイヤを右クリックし,「プロパティ」を選択し「レイヤプロパティ」ダイアログボックスを表示させます.ここで,シンボルタブで表示色の選択,またベース(標高)タブで「レイヤの標高をサーフェスから取得」をアクティブにし,dem_rasterが選択されていることを確認して下さい.これにより3次元表示に必要な標高情報が,dem_rasterファイルから読み取られることになります.このような標高情報を与えるファイル(レイヤ)をサーフェスと呼びます.

 さらにZ単位変換で「カスタム」と"3"を入力します.この数値は高さ方向の強調の程度を示しており,場合に応じて使用して下さい.OKをクリックして終了です.


 下図のような3次元表示が得られました.(標高3倍に強調)


 また視点や大きさを調節して表示させることができます.
 いつも見慣れた筑波山ですが,いろんな表現ができそうですね.


 等高線(contour.shp)を使用すると下図のようです.先ほどと同様に「レイヤプロパティ」ダイアログボックスのベース(標高)タブで「レイヤの標高をサーフェスから取得」をアクティブにし,dem_rasterを選択しています.標高は3倍に強調です.


 TINレイヤを使用するとこんな感じです.やはり標高は3倍強調です.